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更年期世代が気になるサプリの考え方

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1. なぜ更年期になるとサプリが気になるのか

40代後半〜50代にかけての更年期は、

  • ホットフラッシュ・のぼせ
  • 眠れない、寝ても疲れが取れない
  • イライラや気分の落ち込み
  • 肩こり・関節痛
  • 肌や粘膜の乾燥、冷え

といった「病院に行くほどではないけれどつらい不調」が増えてくる時期です。

その一方で、

  • 仕事・家事・育児・介護で受診の時間がとりにくい
  • まずは自分でできることから始めたい
  • いきなり薬ではなく、サプリや漢方など“負担が少なそうなもの”から試したい

と考える方も多く、「更年期 サプリ」と検索する機会が増えていきます。

ただ、情報が多すぎるからこそ、

何を基準に選べばいいの?
飲んでみたけれど、これで合っているのかわからない…

と迷いやすいのも事実です。

この記事では、とくに更年期世代で注目度の高い「エクオール」を軸にしながら、
サプリとの付き合い方の考え方を整理していきます。


2. 更年期サプリの主役候補「エクオール」とは?

2-1. 大豆イソフラボンから変わる成分

エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換されてできる成分です。

  • 形が女性ホルモン(エストロゲン)に似ている
  • エストロゲンの受容体に結びつき、弱いながらも似た働きをする

といった点から、更年期症状の「ゆらぎ」をやわらげるサポートとして注目されています。

2-2. 「作れる人」と「作れない人」がいる

ポイントは、エクオールを体の中で作れるかどうかは個人差が大きいということです。

  • 腸内に「エクオール産生菌」がいる人 → 大豆製品を食べると自分の力でエクオールを作れる
  • いない人 → 大豆をしっかり食べていても、ほとんどエクオールを作れない

日本人では「作れる人」が半数以下、と言われています。
そのため、**大豆製品をがんばって食べているのに、いまひとつ体感がない…**という場合、
「もしかするとエクオールを作れないタイプかも」という可能性もあります。

2-3. サプリでエクオールを補うという選択肢

そこで出てくるのが、エクオールそのものを配合したサプリです。

  • もともとエクオールを作れる人 → サプリで安定してエクオールをとることで、食事の波をカバー
  • 作れない人 → 食事だけでは届かなかった部分をサプリで補う選択肢

というイメージで考えるとわかりやすいです。

もちろん「飲んだらすぐ劇的に変わる」というより、
数週間〜数ヶ月かけて、ゆるやかな変化を見るタイプのサプリです。


3. エクオールサプリを選ぶときのポイント

「エクオールがいいらしい」と聞いても、商品がたくさんあって迷いますよね。
選ぶときには、次のポイントをチェックしてみてください。

3-1. 1日あたりのエクオール量を確認する

  • パッケージや商品ページに「1日あたり○mg」と書かれているか
  • その量が、臨床研究などで用いられた量におおむね近いか

を確認しましょう。量が多ければ多いほどよい、というわけではなく、
「きちんと根拠のある量かどうか」が大切です。

3-2. 原材料・添加物・製造元の情報

  • 原材料名がきちんと表示されている
  • エクオール以外にどんな成分が入っているか(ビタミン類、ハーブなど)
  • 販売者・製造者の会社名や問い合わせ先が明記されている

といった情報の「透明性」は、信頼できるかどうかの目安になります。

3-3. 自分の体質・持病との相性

  • 乳がん・子宮体がんなどホルモン感受性のがんの既往がある方
  • ホルモン治療中の方
  • 他のサプリや薬をすでに多く使っている方

は、自己判断で始めるのではなく、必ず主治医や薬剤師に相談してから使うようにしましょう。


4. エクオールだけに頼らないための「ベース栄養」

エクオールサプリは、更年期ケアの“主役候補”ではありますが、
それ1つですべてが解決するわけではありません。

土台となる栄養が不足していると、せっかくのサプリの力も十分に発揮されにくくなります。

4-1. たんぱく質・鉄・ビタミンB群

  • 体やホルモンの材料になるたんぱく質
  • 疲れやすさ・だるさ・気分の落ち込みにも関わる
  • エネルギー代謝や神経の働きをサポートするビタミンB群

このあたりは、更年期世代で共通して意識したい「ベース栄養」です。
食事だけでとりにくいと感じる場合は、
プロテインやマルチビタミン・ミネラルなどで補うのもひとつの手です。

4-2. 骨のためのカルシウム・ビタミンD・マグネシウム

エストロゲンの低下は、骨密度の低下にもつながります。

  • 骨の材料になるカルシウム
  • カルシウムの吸収を助けるビタミンD
  • 骨の形成や筋肉の働きに関わるマグネシウム

をセットで意識しておくと、将来の骨粗しょう症対策にもつながります。

4-3. 血流・気分のサポートにオメガ3脂肪酸

青魚や亜麻仁油などに含まれる**オメガ3脂肪酸(EPA・DHAなど)**は、

  • 血流のサポート
  • 炎症のコントロール
  • 心の状態の安定に関わる可能性

などが注目されています。魚をあまり食べない方は、サプリでの補給も選択肢の一つです。


5. 他の更年期サプリとの付き合い方

エクオール以外にも、更年期ケアとしてよく名前が挙がるサプリや成分があります。

5-1. 大豆イソフラボンとの関係

  • 大豆イソフラボンは、エクオールの“元”になる成分
  • エクオールを作れる人にとっては、大豆食品やイソフラボンサプリも有用な選択肢
  • エクオールを作れないタイプの人は、エクオールサプリの方が効率的な場合も

大豆イソフラボンとエクオールは「どちらか一方だけが正解」というより、
自分の体質や生活スタイルで選ぶパートナーと考えるとよいでしょう。

5-2. プラセンタ

プラセンタは、肌のハリや疲労感、睡眠の質などへの良い変化を感じる方もいる成分です。

  • 医療用の注射製剤と、サプリ・ドリンクでは位置づけが異なる
  • 体質によっては合わない場合もある

ため、「なんとなく美容に良さそう」というイメージだけで選ばず、
自分にとってどんなメリットを期待するのかを明確にしておくことが大切です。

5-3. ハーブ系サプリ(ブラックコホシュ・チェストベリーなど)

海外では更年期ケアとして使われているハーブも、日本でも人気が出てきています。
ただし、

  • 海外製サプリは成分量が多いものもあり、日本人女性には強すぎる場合がある
  • 服用中の薬との相互作用が問題になることもある

など、「自然のものだから安心」とは限りません。
**ハーブも“効くものは副作用もありうる”**という視点で、慎重に選びたいところです。


6. 医療・漢方・サプリのバランスをどう考えるか

更年期ケアでは、

  • 婦人科でのホルモン補充療法(HRT)
  • 漢方薬
  • 抗うつ薬・抗不安薬
  • サプリメント・健康食品

など、さまざまな選択肢があります。

6-1. 「どれか1つ」ではなく「組み合わせ」で考える

症状が強い場合、

  • 医療の力(ホルモン補充療法など)が“土台”
  • エクオールをはじめとするサプリは、その周りを支える“サポート役”

というバランスで考えると整理しやすくなります。

「なるべく薬を使いたくない」という気持ちも大切にしつつ、
我慢しすぎて日常生活が大きく崩れてしまわないことも同じくらい大切です。

6-2. 飲んでいるサプリは、医師・薬剤師に正直に伝える

  • 病院で「サプリは飲んでいません」と言いながら、実は複数使っている
  • 市販薬とサプリの組み合わせで、思わぬ不調が出ている

というケースも珍しくありません。

エクオールを含め、飲んでいるサプリは「全部まとめて」共有しておくと、
医師・薬剤師側も安心して治療方針を立てることができます。


7. まとめ:エクオールを“起点”に、無理のない更年期ケアを

最後に、エクオールを中心とした更年期サプリの考え方をまとめます。

  • 更年期の「なんとなく不調」に、エクオールは主役候補のサポート成分
  • ただし、エクオールを自分で作れるかどうかには個人差があり、サプリで補う選択肢もある
  • サプリはあくまで「足りないところを補う道具」。
    睡眠・食事・運動・ストレスケアといった土台づくりが優先
  • プラセンタやハーブなど他のサプリは、「エクオール+ベース栄養」で物足りない部分を補う“オプション”として検討
  • 症状がつらいときは、無理をせず医療の力も上手に借りる。
    サプリは医療を補う“相棒”として付き合う

更年期は、「これからの自分の体と、どう付き合っていくか」を考えるタイミングでもあります。

エクオールをひとつの**“起点”**にしながら、
あなたの生活や価値観に合うサプリとの距離感を見つけていきましょう。


※この記事は一般的な情報であり、特定の製品や治療を推奨するものではありません。
持病のある方、薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、サプリメントの使用前に必ず医師・薬剤師にご相談ください。

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