「セックスが痛い」と悩むあなたへ。無理なく体を慣らす「ダイレーター」という選択肢
「性行為のときに痛みがあってつらい」「入れようとすると体がこわばってしまう」
そんなお悩みを抱えていても、なかなか人には相談しにくいですよね。
今回は、SEXの際の痛み(性交痛)のケア方法のひとつとして使われる
「ダイレーター」 について、やさしく解説します。
「少しでも楽になりたい」「自分のペースで体を慣らしていきたい」
そんな方が、安心して情報を知るための記事です。
1.そもそも、なぜSEXのときに痛みが出るの?
SEXのときの痛み(性交痛)は、理由がひとつとは限りません。
いくつか代表的な原因を挙げてみます。
よくある原因の例
- 膣や外陰部が乾燥している
- 更年期・授乳中・ピルや薬の影響などで、ホルモンバランスが変化すると、うるおいが減り、こすれて痛みが出やすくなります。
- 膣の入り口まわりの筋肉がぎゅっと緊張している
- 「痛いかも」「怖い」という気持ちがあると、無意識に骨盤底筋がきゅっと締まってしまい、入れようとすると痛みにつながることがあります。
- いわゆる膣けいれん(膣痙攣) や、不安・トラウマなどが関わることもあります。
- 炎症や感染などのトラブルがある
- カンジダ膣炎・細菌性膣炎・性感染症など、炎症があると触れるだけでもしみたり痛かったりします。
- 手術・出産・ケガのあと
- 会陰切開や手術のあと、傷の部分が引きつって痛みが出る場合があります。
- 子宮内膜症や子宮筋腫など、婦人科疾患が背景にある場合
- 体の奥に原因があるタイプの痛みもあります。
🔸大事なポイント
SEXの痛みは「気のせい」でも「我慢すれば慣れるもの」でもなく、
体と心の両方に理由がある立派な「症状」 です。
気になる方は、まずは婦人科・産婦人科などで相談してみることがとても大切です。
2.ダイレーターって何?どんなもの?
ダイレーター(膣拡張器) は、
膣や膣の入り口に少しずつ刺激や「入っている感覚」を慣らしていくための道具です。
ダイレーターの特徴
- つるんとした素材の「棒」状または「円すい」状の器具
- 太さが少しずつ違うサイズがセットになっていることが多い
- 医療機関でのリハビリやトレーニングにも使われている
どんな目的で使われる?
- SEXのときに痛みや怖さがある方が、
「自分のペースで少しずつ慣れていく」 ためのサポート - 手術後や放射線治療後などに、
医師の指示のもとで膣の狭さや癒着を予防・改善する目的で使われることもあります。
ダイレーターは、「無理やり広げる道具」ではなく
「自分自身が主導権を持って、ほんの少しずつ『慣れ』を作っていくためのツール」
とイメージしてもらえると近いです。
3.ダイレーターが役立ちやすいシーン
次のような方に、医師・専門家からダイレーターが提案されることがあります。
- SEXのとき、挿入しようとすると体が固まってしまう
- 指でもタンポンでも、入りそうになると強い痛みや怖さが出る
- 産婦人科などで「膣けいれん(膣痙攣)かもしれません」と言われた
- 手術や放射線治療、出産のあとで、
挿入時の痛みや違和感が強くなった - 更年期以降の乾燥・萎縮があり、医師のもとで治療中
💡ダイレーターは「自宅で使えるリハビリ道具」 のイメージが近いかもしれません。
少しずつ、「入れても大丈夫かも」「痛みが少しマシかも」という体験を積み重ねることで、
からだの緊張や怖さを和らげていくことを目指します。
4.ダイレーターの基本的な使い方の流れ
※ここでの説明はあくまで一般的なイメージです。
実際には、必ず医師の診察や指導を受け、指示に従ってください。
① 使う前の準備
- 婦人科・産婦人科などで一度相談する
- 痛みの原因が何かを確認してもらうことが大切です。
- 感染症や炎症がある場合、先にそちらの治療が必要なこともあります。
- 清潔な手と器具で
- 使用前後には、手洗いとダイレーターの洗浄・乾燥を行います。
- 環境を整える
- 心身が落ち着ける場所・タイミングで。焦らず時間に余裕のあるときがおすすめです。
② いちばん細いサイズからスタート
- 多くの場合、もっとも細いサイズから始めます。
- すぐに奥まで入れようとせず、「入り口で触れる」「少し差し込む」程度からでOK。
- 痛みが強いときは無理をしないことがなにより大切です。
③ たっぷりの潤滑剤を使う
- 摩擦を減らすために、水性またはシリコン系の潤滑剤 をたっぷり使います。
- 更年期や乾燥が強い方は、うるおいケア製品と組み合わせることもあります(医師と相談を)。
④ 呼吸と「力を抜く感覚」を意識する
- ゆっくり息を吐きながら、少しずつ挿入していきます。
- 骨盤底筋をゆるめるイメージで、「おしっこを止める力」をふっと抜くように意識すると◎
- 「痛い」「怖い」と感じたら、そこで一度ストップ。
その位置で少しキープするだけでも「慣れ」につながっていきます。
⑤ 少しずつ時間やサイズをステップアップ
- はじめは数分から。慣れてきたら、自分のペースで時間や深さを延ばしていきます。
- 痛みや怖さが和らいできたら、徐々に次のサイズに挑戦することもあります。
- ステップアップのタイミングは、独断で進めず、可能なら医師や理学療法士と相談を。
5.使うときの注意点
ダイレーターは、使い方を間違えると逆に痛みや不安を強めてしまうこともあります。
安心して使うために、次のポイントを大切にしてください。
必ず医療機関で相談を
- SEXの痛みの原因は人それぞれで、
炎症・感染・病気が隠れている場合もあるからです。 - 「市販されているから自己判断で始める」ではなく、
不安があればまず婦人科・産婦人科へ相談することをおすすめします。
無理にサイズを上げない・我慢しない
- 「早く大きいサイズまで進まないと」と焦る必要はまったくありません。
- 痛みが強いとき・恐怖感が増すときは、中止することも「前に進む一歩」です。
出血や強い痛みが続くときは使用を中断
- 強い痛み・出血・違和感が続く場合は、すぐに使用を中止して医師に相談を。
- 感染症の症状(かゆみ・おりものの異常・発熱など)があるときも、自己判断で使わず受診を優先してください。
心のケアもとても大切
- 過去のトラウマやパートナーとの関係性が大きく影響している場合、
心理的なサポートやカウンセリングが力になることもあります。 - 「体だけ」の問題ではなく、心・環境・関係性すべてを含んだケアと考えてOKです。
6.パートナーとのコミュニケーションについて
ダイレーターを使うことを、パートナーにどう伝えるか悩む方も多いです。
伝えるときのポイント
- 「あなたのせい」ではなく
→「私の体が今、痛みに敏感になっていて、少しずつ慣らす練習をしているところなの」 - 「痛みをガマンして応える」SEXから
→「お互いが安心して楽しめる時間にしていきたい」という方向性を共有できると理想的です。 - 挿入をしないスキンシップの時間や、お互いが心地よく感じるコミュニケーションを増やすことも、とても価値があります。
パートナーとの関係性や話しやすさによって、伝え方はさまざま。
「無理をしない」「自分のからだを大事にする」という視点を、どう守るかを一緒に考えてくれる相手であることが大切です。
7.「痛みと向き合う」ことは、がんばりの証
SEXのときの痛みについて、
「自分だけがおかしいのでは…」「恥ずかしくて誰にも言えない」と感じる方も少なくありません。
でも、
- 痛みを「気のせい」で片づけずに、
- 情報を探して、
- こうして記事を読んでいること自体が、
自分のからだを大切にしようとしている、立派な一歩 です。
ダイレーターは、その一歩をサポートする道具のひとつ。
ただし、万能薬ではなく、「自分に合ったケア」のひとつの候補 です。
8.まとめ:ダイレーターとうまく付き合うために
最後にポイントを整理します。
- SEXの痛み(性交痛)は「気のせい」ではなく、原因のある症状
- ダイレーターは、少しずつ体を慣らしていくためのリハビリのような道具
- 使う前には必ず婦人科・産婦人科などで相談を
- 無理にサイズアップしたり、痛みを我慢しながら続ける必要はない
- パートナーとのコミュニケーションや心のケアもとても重要
- 「痛みと向き合おう」としている自分を、責めずにねぎらってあげることが何より大切
FemTure Houseでは…
(ここに店舗としてのスタンスを入れるなら)
FemTure Houseでは、
「痛いのが当たり前」と我慢してきた方が、少しでも安心して相談できる場所でありたいと考えています。
- SEXの痛みやデリケートゾーンのお悩み
- 更年期の乾燥や違和感 など
お一人おひとりの背景をうかがいながら、
医療機関の受診も含めて、一緒にケアの選択肢を整理するお手伝いをしています。
「こんなこと話してもいいのかな?」と思うことこそ、
ぜひ一度、気軽にご相談くださいね。
